ブックレビュー「60分でわかるメタバース超入門」

ブックレビュー

「60分でわかるメタバース超入門」

「メタバース」、言葉は時々聞いていたが、昨年、フェイスブック社が社名を「META」に変えるほどの「商機」「トレンド」なのかと、俄然世間の注目が集まっている。や、ネットで散発的に情報を観てはいたが、まとまって理解できる本を探して、こちらを購入した。

著者は武井勇樹さん。内容は6つのパートからなり

  • 進化を続けるメタバース
  • 技術ファクターとエコシステム
  • 主要なサービスプラットフォーム
  • 新しいテクノロジー・インフラ・エコノミー
  • 各業界リアル×バーチャル
  • 成功のための条件と課題

から理解する。基本的な概念の説明、既に始まっているサービス。そのサービスの基本となるクリエータエコノミー、NFT、ブロックチエーンの仕組み。実際のメタバースの世界のなかで進化するVRゴーグル、ARグラス、身体感覚をメタバース内でシンクロさせるハプティクス、、、、など、メタバースの概要、付随する技術、各業界への展開、そして課題と非常に読みやすい内容となっている。カタカナ用語だらけで、本当に理解しているか聞いたりされると怖い。

 メタバースを一番簡単に説明できるのは、一昔前の「セカンドライフ」の進化形として。映画「サマーウォーズ」の中の仮想空間OZ、同じく細田作品の「龍とそばかすの姫君」の仮想空間Uといえばイメージしやすい。娯楽も、行政手続きも、会員の交流も全てこの場所でできる。他にはアニメ「ソードアートオンライン」が参考になるらしい。

 私はゲームはしないので、この本で、紹介されている「マインクラフト」「APEX」「フォートナイト」「Roblox」なんかもメタバースと言える空間らしい、、、、、YouTubeで調べながら読んだ。

「cluster」やってみる

 いつの間にか、自分には関係ないからと新しい物に素通りしてしまう私も、これじゃいかんと、「cluster」には登録してやってみた。を選んで、服を選んで、まず最初に「ロビー」に行った。何か居る。人か、いろんなアバターがいる。まだよくわかっていないので話しかけられるの怖い。逃げる。

これを、VRゴーグルつけてやるんだろうけど、今ひとつ気持ちが乗らない。

次に「ムーミンバレー」に行く。ムーミンもスナフキンもいないようだ。空中に浮いている金貨にアバターがぶつかるとポイントらしきものが増えていく。とりあえず、金貨を集めて、しばらく色々進んでみる。しかし、誰もいない。終了。

 解説書にもあるように、ゲームをやっている世代はすんなりメタバースの世界に入っていけるんだろうし、ソーシャルゲームなど、ゲームの中で友達を見つけれる人はすんなり楽しめるかもしれない。私にも、メタバースの中で知り合いができれば、もっと面白くなるのかもしれない。

「メタバース」は「マルチバース」

 さてメタバースは、メタ+バースの造語。バースは、ユニバースとかのbirthで、メタは超越した、高次のと言う意味。ユニバースが私たちの世界であれば、一つ上の世界ということになる。メタバースの世界はたくさんあるので、マルチ(複数の)バースでもある。さまざまな派生物語のある「スパイダーマン」は、この作品群「スパイダーマンマルチバース」として、いろんな作品世界があっても矛盾しているわけでは無いそう。どんな世界があっても、どれも問題なく併存しているという概念は、クラスに馴染めず、大人社会に不安感、あるいは社旗で孤立感を持っている人には、何らかの光になる概念かもしれない。

いろんなゲームのメタバース、SNSのメタバース、医師の手術シミュレーションや、さまざまな産業用のメタバース、大学なんかは一番向いている、ユニバースメタバースだ。そして、同じアバターで、それぞれのメタバースを行き来できる仕組みも将来できるかもしれない。たくさんメタバースがあれば、メタバースは何だろうという尻込みをしている人のためのメタバースもできるかもしれない。メタバースの疲れたメタバースクリニックと言うメタバースも、、、、。

 メタバースについては、色々考えさせられることもあるので、また、おいおい話すとして、この本は是非、メタバース理解のために、特に新しいことへの感性に鈍くなっている人におすすめです。

 

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